明くる日の朝も緊張していたのか、早く目が覚めた。昨日できなかった荷解きをしながら身支度を。10月の半ばとはいえ大阪と比べ少々寒い気もする。
テレビの配線を繋ぐと阪神が昨日勝ったと知る。むさ苦しい男の手料理とともにある程度片付け終わり新天地に向かうことにした。

店長曰く、山越えがあるからと言われていたのだが正しくそのとおりであり、三坂"峠"という名の山である。砥部町の産直館を横目に上っていく。紅葉がキレイなところだと思う半面、こんな所に誰が買いに来るのだろうと不安も多少あり。なんだかんだで小一時間ぐらいで到着。軽く挨拶を済ませ、一通り見学した。店としては、店長の次が私という、所謂№2に値するものとなったのだが、№3の契約社員である渡さんに早速声をかけられる。挨拶をし、その後に言われた一言が今も忘れられない。

「店長とうまくやっていきそうですか？前任者はそれがイヤで転勤していきましたからね」

その一言が今もなお続く、鬱の種を植え付けられた瞬間でもあった。